小論文のポイント

看護医療系の小論文では思考力や表現力に加え、医療従事者としての心構えや人間性、感性までも問われるのが特徴です。

また、「正確な事実認識とその伝達能力」が求められます。看護職は、職務上受け持ちの患者の容態や治療の経過を正確に把握し、勤務交代の際に伝達する義務と責任を負います。

つまり迅速で適切な判断力とだれにでも理解できる平易な表現が求められているのです。もちろん、医療業界を取り巻く現状や基礎知識も必要となります。日頃から新聞や、学部学科関連のニュースに目を向け、情報収集をしておくと良いでしょう。
          

小論文の評価のポイント

①文章の内容がテーマに沿っており、テーマに対する自分の意見が示されている。
  
②テーマに対する自分の意見や理由が論理的に説明されており、説得力がある。
 
③知識や経験に基づいた自分なりの気づきや具体例、発想がある。   

④丁寧に書かれている、文章の構成が簡潔で読みやすい。
 
⑤誤字・脱字、送り仮名や文法の誤り、熟語や慣用句の誤用がない。
          

小論文を書くための「8つのルール」

①「だ・である」調に統一する。「です・ます」調を混同させて使わない。

②一文を短くする。   

③話し言葉で書かない。 ×「~しちゃって」 ○「~してしまって」
  
④言い訳や断り書きはしない。 ×「私にはこんな難しいことはわからないが・・・」   

⑤ 同じ内容や同じ表現のくりかえしは避ける。 

⑥ 原稿用紙の正しい使い方を守る。   

⑦ 何よりも字は丁寧に書くこと!
 
⑧ 制限字数を絶対に守る。800時以内とあれば、その90%以上の字数、つまり720字以上は書くべし!               

小論文の段落構成

小論文は、言いたいことがきちんと段落構成されて論理的に述べられているかどうか、考察と結論がはっきり書かれているかどうかが評価の大きなポイントになります。   

書き方には、〔例示型〕と〔知識型〕があります。  
 

〔例示型〕  

一段落:①提示された題名と主題に関する身近で起きたことの例、及び ②その問題点
二段落:③なぜそのようなことが起きたのか。理由の考察。(意見の提示)   
三段落:④反論・自分と反対の立場の例。外国の例など。   
四段落:⑤問題の解決法・今後どうしたらよいか具体例を挙げて示す。

 

〔知識型〕 

一段落:①定義(出された題名について、それは何か書く)          
      ②現状と問題提起(出された題名に関して今起きている現象や困った事件を書く) 
二段落:③問題の分析・理由・意見・背景などを書く。
     なぜ、そのような現象や事件が起きたと思われるか(意見の提示)
     いつからそうなったのか(歴史的背景)
           どこでそうなったのか(地理的背景)  
三段落:④反論・自分と反対の立場の考え方、日本以外の国ではどうか、など。
四段落:⑤結論 自分個人としてはどうしたらよいのか、問題の解決策を結論として
     わかりやすくはっきり書く。 

理想としてどうあるのが望ましいか(理想像)、今後、関係機関(または国)のシステムや姿勢をどう変えたらいいのか(今後策)、また、自分個人としてはどうしたらよいのか、問題の解決策を結論としてわかりやすくはっきり書く。

看護系小論文の出題パターン

次の3つのパターンがよく見られます。正看の専門学校では②のパターン、准看護学校は①のパターン、大学は③というのが一般的です。


課題作文型:題名について意見を述べるもの。 「理想の看護師像」「生きがい」「私が心がけていること」「一番感動したこと」「少子高齢化社会」「ボランティア」など。
  
課題文型:現代文や英文などの課題文について設問に答えたり、要旨をまとめ意見を述べたりするもの。

資料分析型:統計資料、アンケート結果、マンガなどが与えられ意見を述べるもの。  

   

出題テーマ集はこちらです

よく出るテーマは次のとおりです。どのカテゴリーから出題されても書けるように練習しておきましょう。

<看護>
          看護師の仕事と医師の仕事の違いについて。
          私の看護師像 看護とマナーについて 
     
<社会>
          成人式について 
          エコ活動について 
          「食べること」について 
          地消地産 
          社会参加について
          長寿の国を誇る 
          少子高齢化についてあなたの関心
          ボランティア活動 
          大学生の学力低下 
          科学技術の進歩が人々に与える恩恵と弊害
   
<哲学>
          決まりの必要性
          人間の欲望について 
          ゆとりについて 
          「もったいない」という言葉から感じること
          「人としての品格」について
          あなたにとって「礼をつくす」とはどのようなことか
     
 <自然・環境・健康>
          健康と環境 
          自然に触れる大切さ
          地球温暖化の原因と影響、及び防止のための日常的な取り組み 
          心身ともに健康な生活を維持してゆくためにどのようなことに注意したらよいか
          健康と喫煙

<若者>
          社会的に大人であるとはどういうことか
          今の若者に足りないもの
          いつから大人か、大人としてどうあるべきか。
          現代の若者の生き方
      
<コミュニケーション>
          対人関係における自己の課題
          会話の中で大切にしていること
          第一印象が与える影響 
          ことばの大切な力について
          コミュニケーションについて 
          1つのつながり
          正確で的確な言葉を運用したコミュニケーションをするために 
          インターネット社会について 
       
<学習>

          学ぶとはどういうことか
          「失敗」について

<自分> 
          信頼を得るために必要なこと
          あなたにとって成功とは何か
          自分の体験をもとに「どのような人を親友にしたいか」>
          プレッシャーとチャレンジ
          私の生活とTPO 
          読書と私
          家族について
          大切なもの
          私を成長させた出来事
          家庭の中での自分の役割
          心に残っている言葉
          あなたが行いたい社会貢献
          10年後の自分への手紙
          スランプとその打開策について
          チェンジしたらよいこと 社会における道徳心と私
          あなたが思う本物とは

<抽象的な課題>  
工夫、実り、回復、共感、道しるべ、嵐、ルール、幸せ 

 

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